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【インタビュー】広瀬すず&木戸大聖&岡田将生「補って埋め合う」演じた役の“稀有な関係”を紐解く

『ゆきてかへらぬ』広瀬すず、木戸大聖、岡田将生のインタビューを実施。劇中で描かれる大正~昭和初期の“スマホがない時代”にまで思いをはせてもらった。

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木戸大聖&広瀬すず&岡田将生/photo:田中舘裕介
木戸大聖&広瀬すず&岡田将生/photo:田中舘裕介 全 20 枚
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3人は「足りないものを補って埋め合っている」


――いびつなようでいて、この3人だからこそ成り立っている絶妙な関係を、皆さんはどのように感じていたんでしょう?

広瀬:今思えばですけど…カオスだなって思うようなシーンがいっぱいあります(笑)。泰子は人の感情で心が埋まっていたいというか、求めて返ってくる人に執着してしまっていたんだろうな、と。なんか…女優の仕事も同じかもと思うんです。人の感情で発信したり演じたりするので、すごく似ている感覚でした。

人のぬくもりじゃないけど、触れていることで生きている証明をしているような意思表示の仕方をしていて。最初はそれに巻き込まれているように見えていたんですけど、思ったより二人も結構ぶっ飛んでいるから、みんなで埋め合って埋め合って執着しているような。だからたぶん脆いんでしょうね。

木戸:“三角関係”みたいなことより本当に“三角”という感じで思っていました。トランプピラミッドってあるじゃないですか。あれとすごく似ているのかもしれない。1個1個の軸はすごく不安定だけど、上手い具合にバランスが取れているから、そこに三角として立っているというような。ちょっとつついたらカタっと崩れちゃうところは、3人の関係性とすごく似ていると思いました。だから一人では何か足りないと自分たちも分かっているし、それを補って埋め合っている関係性なんだろうな、と。

岡田:僕はボートのシーンの座り位置で、3人の関係性がものすごくわかるから素敵だなとずっと思っていたんです。

中也と泰子さんが向き合っているようで、意外と向き合っていなくて。間に小林さんがいて、小林さんも泰子さんも向き合っている。その3人の関係性がとても素敵だなと思いながら撮影していました。ボートでの座り方や位置が、この3人の人間性を表しているんだなと感じていたので。

木戸くんがトランプの話をしていましたけど、小林さんの目線から言うと、テトリスをしている感じに思っていました。僕は積み上げていくタイプで、ガチガチにハマっていかなかった、どんどん積み上がっていくという。それをあえて楽しんでいるのか、悲しんでいるのか、わからない。そんな感覚で捉えていました。


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《text:赤山恭子/photo:田中舘裕介》

映画/エンタメライター 赤山恭子

兵庫県出身。日本大学芸術学部放送学科卒業後、出版社でエンタメ週刊誌、月刊誌の編集者に。その後、映画会社に入社しディストリビューター(権利販売)/映画サイトの編集者を経て独立。現在は映画、ドラマ、舞台などに出演する俳優、監督にインタビューや現場取材、レビューなどを執筆。得意ジャンルはお酒とノワール。

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