「不便」を楽しむ
――舞台となる大正~昭和初期は、スマホもなく家に音楽も流れていないような静けさがあり、令和とはずいぶん感じが違います。今と比較してどんな風に感じましたか?
広瀬:今の時代は、便利は便利ですよね。
木戸:ね、確かに。
広瀬:嫌な世界でもあるけど便利でもあるし。この時代のように何もないと、本当にここ(自分)としか向き合う時間がないのかもしれない。そう思ったら、ちょっと追い詰められるような感覚になるというか。世界が狭く感じるのかもしれなくて、それは良くも悪くもだと思うんですよね。
岡田:でもなんか、割と(3人とも)不便を楽しめる人たちだと思います。
広瀬&木戸:うん!
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――岡田さんも不便を楽しめるタイプだと?
岡田:結構好きです、何もないっていうのが。静かなところに生きていたい気持ち、意外とあったりします。
木戸:え、普通に好きそう。
広瀬:意外とかないですよ?
岡田:一応言ってるの(笑)。うるさいところが苦手で。
木戸:年を重ねるたびに、僕もそうなっている気がします。ガヤガヤした音が、どんどん無理になっていってる気がする。
広瀬:へえ~、私は逆かも。年々、聞こえなくなってくる。勝手にシャットダウンできるのかなあ。
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――広瀬さんは、音があっても気にならないような感じなんですね。
岡田:台本(覚え)とか、どうしてるの?
木戸:あ、気になる!
広瀬:覚えるときはテレビを見ながらも全然覚えられるし、お風呂場で覚えたりもします。携帯で台本データを見れば、それを見て覚えられるから。
木戸:それ現場でめっちゃ思った!
広瀬:そうそう。湯船だけはゆっくり入りたいので、時間がないから湯船で覚えて…って同時進行でやってる。環境とかよりも、自分が整っておけば結構何でも良くなってきました。
――木戸さんと岡田さんはいかがですか?
岡田:長期間タイプ。
広瀬&木戸:へえ~!
岡田:なので、ゆっくりゆっくり。映画だと撮影に入る前に時間があるので、そうすると台本をいただいたときから覚えて、全部覚えてからクランクインする。
木戸:全部ですか!?
岡田:基本的に8~9割ぐらいは初日の段階で覚えてる。そうすると撮影中は覚えることじゃなくて、相手にずっと集中できるから。そういう時間の使い方をしますかね。
広瀬:集中力が長いんだ!
岡田:いや、短いんだよ。
広瀬:私は短期集中型だから。
木戸:わかる! パッと覚えて、「OK」の声が出ると午前中に撮っていたのがすでに抜けていってる感覚で。
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――木戸さんは広瀬さんタイプなんですね。
広瀬:木戸くんは柔軟にできそう!
木戸:いやあ、僕は2日前とかから外でブツブツ言ってるタイプ。すずちゃんは本当に感覚的に(台詞が)入るのが早そう。
岡田:それ、朝ドラやったのがあるんじゃない?
広瀬:もしかしたら朝ドラじゃなくて、10代のときにやった連ドラで、毎週10何ページの台詞があったからかも。覚えられちゃって、苦じゃなかったの。
木戸&岡田:すごい!
広瀬:結構覚えられる人なのかもしれない。興味があるものにはうわーって(向かって)なって、終わっちゃったらわーって(忘れる)!
全員:(笑)。
岡田:みんな違うんだね、いいね(笑)。
▼広瀬すず
・スタイリスト:丸山晃(Akira Maruyama)
・ヘアメイク:奥平正芳(Masayoshi Okudaira)
▼木戸大聖
・スタイリスト:佐々木悠介(Yusuke Sasaki)
・ヘアメイク:石邑麻由(Mayu Ishimura)
▼岡田将生
・スタイリスト:大石裕介(Yusuke Oishi)
・ヘアメイク:細野裕之(Hiroyuki Hosono)