第48回日本アカデミー賞で、齋藤飛鳥(『【推しの子】 The Final Act』)、渋谷凪咲(『あのコはだぁれ?』)、山田杏奈(『ゴールデンカムイ』『正体』)、赤楚衛二(『六人の嘘つきな大学生』『もしも徳川家康が総理大臣になったら』)、板垣李光人(『八犬伝』『はたらく細胞』『陰陽師0』)、越山敬達 (『ぼくのお日さま』)、齋藤潤(『カラオケ行こ!』)、森本慎太郎 (『正体』)の8名が新人俳優賞を受賞。3月14日(金)に行われた授賞式に臨んだ。
『【推しの子】 The Final Act』で作品の象徴的アイドルを演じた齋藤は、「賞というのは望んだとしても、必ずしも皆が手に入れることができない特別なものだと思っています。光栄な気持ちと恐れ多い気持ちでいっぱいです」とスピーチし、渋谷も「今とても幸せです。経験の少ない私を選んでくださり、支えてくださった皆様、この作品が素晴らしい場所に導いてくれたことを心から感謝しています」と笑顔を広げる。

『正体』では主人公・鏑木(横浜流星)が逃亡中、最後に出会う酒井舞を演じてクライマックスのキーマンを務め、優秀助演女優賞を受賞した山田。もう1作品の『ゴールデンカムイ』では主人公・杉元(山崎賢人)の相棒であるアイヌの少女アシリパを演じ、雪山での長期撮影でアクションシーンからコミカルな変顔まで多様な芝居に挑戦した。山田は「どちらの作品も、こんな充実した現場にいられるなんて本当に幸せだなと思っていました。これからも一緒にやりたいと思っていただける人間、俳優であるよう努力していきたいです」と未来にさらなる飛躍を誓う。

そして、赤楚は「素敵な賞をいただけてとてもうれしく思います。『六人の嘘つきな大学生』ではワンシチュエーションでの会話劇で、キャストのみんなとどう面白くできるか話し合って作りました。『もしも徳川家康が総理大臣になったら』では坂本龍馬を演じたんですが、竹内監督が死ぬ気で向き合ってくれたので演じ切ることができました。スタッフ・キャストの皆さんに感謝したいです」と朗らかに伝えた。

『八犬伝』『はたらく細胞』『陰陽師0』と3作での受賞となった板垣は、ファンタジー作品の登場人物から等身大の青年まで、あらゆる作品にリアリティを与える独自の存在感と演技力の高さが光った。板垣は「大変光栄な賞をいただけたのは、素晴らしい作品との出会いと、何より支えてくださった方々のおかげです。すごくご縁に恵まれていると思います。ときに自分を見失ってさまよってしまう、もう一人の自分に“あなたの居場所はここでいいんだ。誰かに作品を届けることができる”と伝えたいです。本日はありがとうございます、幸せです」と感動のスピーチを行った。

越山は「素晴らしい賞をいただけて、すごく光栄に思います。1年前、京都で撮影中に授賞式のテレビ放送を見ました。まさか1年後に立っているとは思いもしなかったので、不思議な気持ちとすごく幸せな気持ちです」と喜びをにじませ、齋藤も「この舞台に立てているのは綾野剛さん、キャスト・スタッフの皆さんが撮影中も、公開後1年経った今も、たくさんの宝物をくださったから。これからもここから気持ち新たに、一つ一つ生き抜いていけたらと思います」としっかりと自身の言葉で伝えた。

また、『正体』での受賞となった森本は、主人公・鏑木(横浜流星)が逃亡中に親交を深める日雇い労働者の同僚・野々村和也を好演。粗暴さの中にも人のよさや弱さを感じさせる人間臭さと、鏑木との出会いで変化していく姿を実直に表現、群像劇としての魅力を高めた。森本は「一生に一度しか取れない新人賞をいただけてとても光栄です。『正体』に出られてすごくうれしいですけど、撮影していたときはすごく怖くて不安だった。でもこの場に立てるように導いてくれた流星くんはじめ、キャスト・スタッフの皆さんに本当に感謝します」と思いを吐露していた。

なお、プレゼンターは第47回最優秀主演男優賞を受賞した役所広司が務めた。
※山崎賢人の「崎」は、正しくは「たつさき」