菅田将暉が主演を務める「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」の9話が11月26日に放送。トニーの演技に「もらい泣き」や「悲しくて辛い」など哀しみの声が上がっている。

三谷幸喜が脚本を務める本作は、1984年の渋谷を舞台にした青春群像劇。主人公の演出家の卵・久部三成を菅田将暉、WS劇場のダンサー・倖田リカを二階堂ふみ、新人の放送作家・蓬莱省吾を神木隆之介、巫女の江頭樹里を浜辺美波、無料案内所のおばばを菊地凛子、WS劇場のダンサーで姉御肌のパトラ鈴木をアンミカ、ダンサーでシングルマザーの毛脛モネを秋元才加、交番勤務の警察官・大瀬六郎を戸塚純貴、WS劇場の用心棒・トニー安藤を市原隼人、劇団「天上天下」の主宰者・黒崎を小澤雄太、天上天下の制作スタッフ・トンちゃんを富田望生、WS劇場の支配人・浅野大門を野添義弘、ジャズ喫茶のマスター・風呂須太郎を小林薫、劇場スタッフの伴工作を野間口徹、シェイクスピア俳優・是尾礼三郎を浅野和之、芸人の彗星フォルモンを西村瑞樹、蜷川幸雄を小栗旬が演じている。
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
深夜のWS劇場。演出家の久部三成(菅田将暉)は、思いを寄せる倖田リカ(二階堂ふみ)と2人きりでいる。リカを守るためにリカの元情夫・トロ(生田斗真)を追い出した久部の勇敢な一面を見て、リカも少しずつ久部に惹かれ始めていた。親密な雰囲気が漂う中、久部は、劇場が軌道に乗ったら「ハムレット」を上演するつもりだと語る。

ハムレットは久部自身が演じ、その恋人・オフィーリアはリカに演じてほしいと言う。他にも多くの役を演じてほしいと言う久部に、リカは「演出家の先生に任せるわ」と答え、「これからも私たちを引っ張っていって」とささやく。そしてリカは久部の手を引くとそっとキスをし、手をつないで飲み屋へと向かうのだった。
その頃、八分神社の居間では巫女の江頭樹里(浜辺美波)が物思いにふけっていた。久部とリカの関係が気になってしょうがないのだ。そんな娘の気持ちを悟った父の論平(坂東彌十郎)は、「あの二人に恋愛関係はないような気がするなあ」とつぶやきながらとすごすごと去って行く。しかし、樹里はどうしても不安を打ち消せず二人の別れを願うのだった――というのが9話の展開。

オーナー(シルビア・グラブ)がトニー(市原隼人)を貸してほしいとやってくる。危険な取り引きにボディーガードとして同行させたいと言うオーナーに対し、久部は最初は断るも、今週分の120万円をなかったことにすると言われ、渋々承諾する。しかし、スタッフたちはトニーが開演に間に合う保証がないため、公演を見送るべきだと言う。
一方のトニーは、オーナーからの依頼は断ってほしいと言ってトレーニングに向かうのだった。実はトニーは開演の2時間前からウォーミングアップを始めており、是尾(浅野和之)に自分のセリフを録音してもらったテープとデッキを大切に持ち歩いているほど、演劇にのめり込んでいた。そんなトニーにSNSでは「幕が開く2時間前にウォーミングアップしてるトニー偉すぎるだろ。そして役者としての意識が完成しすぎている」や「クベの想定より演技にのめりこんでるトニー」、「めちゃくちゃ役者魂に目覚めてるトニー。前回ラストで久部を泣かす演技をしただけある!」などの声が。

その後、オーナーを断れない久部はトニーの恋人であるパトラ鈴木(アンミカ)と交渉。パトラの提示してきた「次はトニーに出番の多い役を任せる」という条件で、トニーを説得してもらうことに。トニーはボディーガードを引き受けるが、任務の内容はマレーシアの組織に詐欺の手順を売買するというものだった。
一方、警官の大瀬六郎(戸塚純貴)は勤務中の演劇出演がバレてクビになり、役者になるつもりだとWS劇場にやってくる。また、トニーが時間通りに戻ってこられなかった時の保険として、久部はおばば(菊地凛子)を召喚。他にも時間稼ぎのために、開演前に余興を入れたり、回想やアドリブシーンを入れたりと、様々な手を打つ。

そんな中、ようやく帰ってきたトニーは、そのまま舞台に上がり、名演技を見せる。しかし、警察がトニーをつけてきたことがわかると、オーナーは逃亡。そしてトニーは自首を決意し、舞台に穴を開けることを謝罪して、涙を流すのだった。劇団との関係を疑われないため、トニーは劇場に来ていた客を装い暴れて自分に注目を集める。そんなトニーの姿に「毎回1人また1人と登場人物が脱落していくのが悲しい……あんなに最初強面で演技もたどたどしかったトニーが誰よりも頑張って演技練習して上手くなって真剣に演劇に打ち込んでたのに……。劇場の皆に迷惑かけてしまいごめん悔しいとあんなボロボロ泣くトニー初めてで本当ツラくて貰い泣きした」や「よりによってあんなに全身全霊役者に向かっていたトニーが……身につけた演技で……あああこんなことになるなんて悲しすぎる」、「実は一番演劇に感化されていたトニーが劇場から去らねばならない事が本当に悲しくて辛かった。最初は出オチの様子のおかしいマッチョだったのに……こんな感情にさせられるなんて……」などの声が上がっている。
【第10話あらすじ】
トラブル続きの中、綱渡りで「冬物語」を上演し終えた夜。ジャズ喫茶「テンペスト」で久部三成(菅田将暉)を待っていたのは、カリスマ演出家・蜷川幸雄(小栗旬)だった。憧れてやまない演出家からの高い評価と熱い演劇論を直に浴びて、久部は感無量。
さらに「とにかく今は、がむしゃらに突き進みなさい」と激励され、震えるほどの感動を味わう。一方、久部が気付かないところで蜷川は、マスター・風呂須太郎(小林薫)とも親しそうに談笑を交わす。
深夜のWS劇場。久部は支配人・浅野大門(野添義弘)と共に、劇場オーナーのジェシー才賀(シルビア・グラブ)と対峙していた。置かれたラジカセからは、逮捕されたトニー(市原隼人)の肉声が流れてきて――。
「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」は毎週水曜22時~フジテレビ系にて放送中。

