俳優の森田望智が、『ナイトフラワー』で第49回日本アカデミー賞の最優秀助演女優賞を受賞。俳優としての芽が出ず、めげそうになっていたときのことも思い起こしながら森田はスピーチし、今その目は希望と感動で輝いていた。
優秀助演女優賞は、森田のほか、蒼井優(『TOKYOタクシー』)、高畑充希(『国宝』)、寺島しのぶ(『国宝』)、森七菜(『国宝』)の選出となり、個性が色濃く打ち出された面々がそろっていた。

『ナイトフラワー』にて、森田は総合格闘家で夜は風俗嬢として働く芳井多摩恵を務めた。北川景子扮するシングルマザーの永島夏希と出会い、彼女がドラッグを売る際のボディガードとして手を組む。半年以上にわたる格闘技の特訓と、食事管理で7キロ体重を増やすなど、徹底的な肉体改造を行った。激しいアクションもすべてノースタントで、気迫に満ちた演技を披露。孤独だった多摩恵が夏希やその子供たちと過ごすことで表情が変わっていく様子も巧みに演じた。
最優秀賞で森田の名前が呼ばれると、森田の顔には瞬時に大きな笑顔が広がった。そして北川&内田監督と握手を交わす。壇上で森田は「あの、ありがとうございます。えっと…信じられない気持ちで…」と戸惑いを隠せない様子だったしかし、その後のスピーチでは個人的な話と前置きながらも、「大学生のころ本当にオーディションに受からず仕事がなく、みんなが就職活動していく年で、私もそろそろ今年でお芝居やめたほうがいいかなと思っていたんです」と打ち明ける。

そして、当時の日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞が、蒼井優(『彼女がその名を知らない鳥たち』)で、そのスピーチに感銘を受けたと森田は語った。「“映画って本当にいいもので素敵なものだから、ぜひ映画界にきてください”とおっしゃっているのを画面越しに見ていて。絶対行けないけど行きたいな、もうちょっと頑張ってみようかなと背中を押された一人でした」と言うと、その言葉を聞いていた蒼井は照れ隠しのように微笑んだ。
森田は「諦めなくてありがとうと、あのときの自分に言ってあげたいなと。“猫パンチでめまいがした”と最初の練習で内田監督が言ったくらいですが、内田さんがずっと信じてくださって、隣で景子さんが光をわけてくださって。チームの皆さんのおかげでこんな素敵な景色を見させていただいたんと思います。テレビ越しでお芝居にめげそうになっている人がもしいたら、少し背中を押してあげられるようになっていたらいいなと思います」とメッセージを送っていた。

