第79回カンヌ国際映画祭でコンペティション部門に正式出品された濱口竜介監督の『急に具合が悪くなる』が現地時間5月15日に上映され、映画祭で作品を観た観客から高く評価されている。
濱口竜介監督は2021年に『ドライブ・マイ・カー』で日本映画初となる脚本賞を受賞して以来、5年ぶりのカンヌとなった。

フランスの俳優ヴィルジニー・エフィラとモデル“TAO”として世界で活躍する岡本多緒が共演。フランス、日本、ドイツ、ベルギーによる国際共同制作の本作は、がんを患った哲学者と、文化人類学者による20通の往復書簡を原作にしており、2人の女性の心の交流が描かれる。
新作が出るたびに国内外で注目を集める濱口竜介監督の最新作は既に50か国以上で配給が決まっており、北米配給権はNEONが獲得した。
英国の映画業界誌「Screen Daily」の星取表では映画祭に参加した記者の評価が掲載されており、最高点の4つ星を付けるメディアも多く、平均点3.1を記録した。全体では3番目に高い点数となっている。
映画祭で作品を観た観客の評価も高く、映画レビューサイト「Letterboxd」では5月21日時点で星数5点満点中4点以上を付けたユーザーが半数を超えており、長尺の作品らしく感想を長文で書き込む映画ファンが多く見られた。
「心を掴み離さなかった。名台詞が途切れることなく続き、日の出と日没の使い方が本当に見事。時間が経つにつれてもっと好きになる作品だとほぼ確信している。」
「長い上映時間を通して、一種の静謐さをもたらしてくれる。作品で描かれる人間性の深みと、それを表現する手法は濱口監督にしか成し得ないものだ。」
「極めて美しく、慈悲に満ちた深く人間味あふれる作品。ヴィルジニー・エフィラと岡本多緒の演技は胸が張り裂けるような切なさと同時に心が温まる。知的で深く情感に満ちた、見事な脚本と演出の光る卓越した映画作家によるまたひとつの傑作――196分の上映時間すべてに価値がある。」
レビューでは濱口監督の作家性や美意識に触れた観客の声が多く見られたほか、監督の手法である「多言語」での会話について言及するファンも目立った。
最高賞となるパルム・ドールの発表はフランス時間5月23日の授賞式にて行われる。
『急に具合が悪くなる』は6月19日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開。




