皮肉たっぷりの“日常的な日本”がカンヌ映画祭に殴り込み!?
自身の劇団を率い、三島由紀夫賞・芥川賞ノミネートなど、新進気鋭の女流作家としても注目される本谷有希子。彼女の人気戯曲が絶妙な配役を揃えて映画化された『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』が今年のカンヌ国際映画祭の批評家週間に正式出品されることが決定した。監督を務めるのは、これまで数多くのヒットCMを手がけてきた吉田大八。強烈なキャラクターを放つ主人公・澄伽(すみか)を佐藤江梨子が演じる。
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「独創的な世界観に大変驚かされた。今の“日常的な日本”を皮肉たっぷりのブラックユーモアで描いた、大胆不敵な映画」と高い評価を得て、満場一致で今回の出品が決定したという。
「本当にラッキーだったと思います。様々な国の方が一同に集まるこの映画祭で、本作がどういう評価を得るのか、楽しみにしています。また、“FUNUKE”という日本でもあまり馴染みのない言葉が、フランスでどこまで流行るか、期待しています」と監督。
また、主演の佐藤さんも「この作品が、批評家週間への正式出品作品として選ばれて、本当に光栄だし嬉しく思っています。カンヌ国際映画祭60周年という記念すべき場で上映されるということで感謝の気持ちでいっぱいです」と、喜びのコメントを寄せている。
批評家週間は、監督作品1作目か2作目のみが選ばれる、新人監督にとっては世界最高峰といえる映画祭部門で、選ばれる長編作品は全世界からたったの7本。本年はこの『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』がアジアの中でも唯一の作品となる。過去に、ベルナルド・ベルトルッチ、ケン・ローチ、ウォン・カーウァイ、ギャスパー・ノエ、フランソワ・オゾンといった名匠たちがこの映画祭に出品して、世界へ飛び立っていったという、まさに世界への登竜門と言える部門。
製作サイドも「この独特な世界観は必ず海外でも評価される」と、当初からカンヌ映画祭を視野に入れ、公開時期などもそれに合わせて初夏に設定。まさに思惑通りの結果となった。映画祭へは、吉田監督と佐藤さんが参加する予定だ。
漫画を効果的に使用し、絶妙な滑稽さで姉妹バトルを演出している全く新しいタイプの映画『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』は初夏、シネマライズほか全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》
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