「キューバに密入国なんてしてないよ」マイケル・ムーアが新作『シッコ』を語る
『ボウリング・フォー・コロンバイン』では銃問題について、そして『華氏911』では、イラク戦争問題について提議し、世界中で社会問題を巻き起こしてきたマイケル・ムーア監督。そのムーア監督の新作は、医療制度を取り上げた『シッコ』。本作がカンヌ国際映画祭でお披露目され、ムーア監督の記者会見が行われた。
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撮影のためにキューバに入国したという監督。このことでアメリカ政府から勧告を受けており、近日中に財務省に報告しなければならないそうだ。「キューバに密入国なんてしてないよ。昨年の10月に、ちゃんと申請してキューバに行ったのに、どうしてカンヌ前にこんなことになるんだろうね? キューバへは、9.11で被害にあった救命士を連れて行ったんだ。だってグアンタナモの基地にいるアルカイダの犯人たちの方が、彼らより良い治療を受けているんだよ。9.11の救命士たちには再起不能になってしまった人もいるんだ。彼らにそうした治療を受けさせてあげたかったんだよ」と語った。
また、違法な行為で撮影されているのであれば、映画の公開そのものが中止されるか、公開が延期になる可能性もある。また、ムーア監督自身に罰金や禁固刑といった刑罰が下る可能性もあるという。
気になるのが監督の激やせ。会見ではその監督の変貌ぶりにも話が及んだ。「医療に関する映画を撮るのだから、まず自分自身が健康にならなくてはと、ダイエットをしたんだ。2か月で25ポンド(約11kg)だ。痩せて気分がいいよ」とにっこり。
「実はコンペに出るはずだったが、降りたんだ」という監督。その理由を「『華氏911』でパルムドールもとったし、充分だと思っている。次も、次もと賞を狙うなんていかにもアメリカ人らしい行為だと思う」と説明。どこまでも“アメリカ合衆国”に問題を提議し続ける彼の気概溢れるコメントだ。
日本でも話題になることは間違いない『シッコ』は8月よりシネマGAGA!、新宿ジョイシネマ、シネ・リーブル池袋ほかにて公開。
《シネマカフェ編集部》
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