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【ハリポタ 特別インタビュー2】アラン・リックマンが語るスネイプの孤独なる10年

『ハリー・ポッター』シリーズにおいて最も謎に包まれた男――。それがセブルス・スネイプである。ハリーの両親と深からぬ因縁を持ち、ハリーを入学当初から目の敵にしているかと思えば、一方でその命を守ろうとすることも。

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『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』 -(C) 2011 Warner Bros. Ent. Harry Potter Publishing Rights (C) J.K.R. Harry Potter characters, names and related indicia are trademarks of and (C) Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』 -(C) 2011 Warner Bros. Ent. Harry Potter Publishing Rights (C) J.K.R. Harry Potter characters, names and related indicia are trademarks of and (C) Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. 全 4 枚
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『ハリー・ポッター』シリーズにおいて最も謎に包まれた男――。それがセブルス・スネイプである。ハリーの両親と深からぬ因縁を持ち、ハリーを入学当初から目の敵にしているかと思えば、一方でその命を守ろうとすることも。反感を買いつつ、どこかで「実は良い男なのでは?」という期待を煽るキャラクターであったが、第6作ではそんな彼に誰よりも信を置いていたダンブルドアをハリーの目の前で殺害し、ヴォルデモート陣営へ。果たしてその真意は? 複雑な内面を抱え、俳優ならば誰もが演じてみたいと思う役柄であるこのスネイプを10年にわたって演じてきたのは英国が生んだ名優、アラン・リックマン。彼はこのスネイプという男ををどのように作り上げてきたのか? その裏側を語ってくれた。

映画第1作の段階で原作は3巻 結末の読めない展開で役を作る難しさ

『ダイハード』に『ロビン・フッド』、近年では『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』など様々な作品で際立った存在感を見せるアラン・リックマン。だが、こうした『ハリー・ポッター』以外の作品やインタビュー、プレミアイベントなどで彼の顔を見ても、すぐにスネイプと結びつかないという人が多いのではないだろうか? 黒髪が特徴的なスネイプだが、決して大げさなメイクによる“変身”が施されているわけではない。にもかかわらずそう感じさせるのは、それだけ完璧にキャラクターを作り上げているからと言える。もちろんそれは簡単なことではない。

2001年に映画が動き出した時点で、出版されていた原作シリーズは全7巻のうち3巻。アランはこの「第3巻までしか出版していなかった段階で、このキャラクターの旅を始めなければならなかった」ということをスネイプを演じる上で最も難しかった点に挙げる。
「つまりその後、第4巻から第7巻までどのような展開となるのか、見当がつかなかったということだ。これは難しかった。想像してやらざるを得ない部分が多かったね。ただ、幸いなことにこのキャラクターは、とても謎に包まれる部分が多いという役柄だったがね」。

原作者J.K.ローリングが彼に与えたスネイプのヒント

「終わりが近づくにつれ、より難しくなっていった」とアラン。原作者のJ.K.ローリングは、スネイプを演じる上でのヒントとして、物語の結末やスネイプがたどる運命を彼に明かしていたとも言われているが…。
「いや、結末について話されたことは全くなくて、ごくわずかな情報を提供してくれたというだけだよ。私の助けになるようにと、彼がどのような人物であるかについての小さなヒントをもらったに過ぎない。彼の結末はこうなるとかいったことではなかったよ」。

秘密の(?)“会談”が行われたのは映画第1作の製作段階。だが気になる内容については「これ以上は言えないな(笑)。彼女と、このことは一切口にしないと約束をしたからね」とのことで今後も明かされることはなさそうだ。

その成長を見届けた、D・ラドクリフらとの不思議な10年

シリーズを通じて、スネイプがどちらの陣営に属し、何を考えているのかはなかなか掴めない。そんなミステリアスな役柄を、彼はこんな言葉で表現する。
「これは孤独感に満ちた役だ。彼がほかの誰と一緒にいるシーンでも、相手を探ろうとしているかのようだから、特に『このシーン』などと言うことはできないがね。頭の中の様々なレベルにおいて同時に考えを巡らせているようなものだから、そういった意味でも私のこの10年間の思い出といえば、私自身の俳優としての集中力が試されたということだ。もちろんほかの役者たちとのコミュニケーションはとらなければならないが、同時にある程度、自分の殻に閉じこもらなければならないところもあるということも常に意識していた」。

改めて『ハリー・ポッター』シリーズは彼にとってどのような存在であり、この10年はどのような歳月だったのだろうか?
「第1作の映画製作が始まった段階で、既に私たち一同、成功するという予感はあったが、ここまでの大ヒットとなるとは誰も予想していなかった。子供に限らず大人にも支持される作品となったのも想像できなかったことだね。そして3人の12歳の子供たち(ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン)が20歳の大人へと成長していく様子を目の当たりにすることができた。それが全て映画として記録されたわけだからね(笑)。1作目の撮影が終わった後、私の撮影期間は毎年7週間だったから、彼らの撮影期間と比べてそれほど長い間ではなかったので、毎年私が現場に行くころには、彼らが3インチも背丈が伸びていたり、声変わりしていたりと大きな変化があったものだ。しばらく会わないうちに、この1年で君たちの人生にはどのような変化があったのか、と改めて考えさせられることになったので、不思議な体験だったね。人は12歳から20歳までの間には様々なことを経験するものだから、いったいどういう経験をしたのかと気にはなるのだが、そんなことを思ってはいても、実際に彼らに聞いてみることはできない(笑)。それでも時が経つにつれ、だんだんそれが分かるようになるんだ。例えばメイクアップ室でダン(=ダニエル)が音楽をかけていたりすることでね」。

キャメロン・ディアス、コリン・ファースとの共演作『Gambit』(原題)に加え、ニューヨークでの舞台、そして自身の2作目となる監督作も準備中と今後の作品も楽しみだが、まずは映画史に残るファンタジーシリーズの最終章。全ての鍵を握っているこの男の一言一句、その表情の全てをお見逃しなく!

『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』
2011年7月15日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開。

《シネマカフェ編集部》

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