【シネマカフェ的海外ドラマvol.332】ロマンティックに秋の夜長に楽しむ歴史ドラマ
秋のロマンティック気分を先取りできる上に、観やすくて面白い! 前回の「REIGN/クイーン・メアリー」に続き、今回はそんな歴史ドラマをオススメしたいと思います…
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
まず1本目は、「THE TUDORS~背徳の王冠~」。このドラマでは、16世紀イングランドのチューダー朝を舞台に、国王ヘンリー8世の人生模様が描かれていきます。「REIGN/クイーン・メアリー」のメアリー・ステュアートは英国女王エリザベス1世のライバルですが、ヘンリー8世はそのエリザベス1世のお父さん。聡明ではあるものの冷酷かつ非情で、女性関係にも問題が多々あったヘンリー8世を、ジョナサン・リース=マイヤーズが演じています。
「実際のヘンリー8世よりも多少はイケメンな男が演じた方がいいだろう?」と、ジョナサン自身も言ったとか…? とにかくジョナサンのヘンリー8世は刺激的な王様で、どこかチャーミング。そんなヘンリー8世のダークヒーローぶりが、物語を観やすくしています。史実上も6人の女性と結婚&離婚を繰り返したとされていますが、その分ロマンス濃度は高め。エロティックな描写もふんだんに盛り込まれています。ちなみに、いまや『マン・オブ・スティール』のスーパーマンとして知られるヘンリー・カビルが、このドラマではヘンリー8世の家臣を好演。美形2人の友情物語も非常に見応えのあるものでした。
そして2本目は「ボルジア家 愛と欲望の教皇一族」。15~16世紀のローマで暗躍した教皇アレクサンデル6世を、オスカー俳優ジェレミー・アイアンズが演じています。“史上最もスキャンダラスな教皇”の呼び名に相応しく、アレクサンデル6世の人生は権力と富、色と欲にまみれていて波乱万丈。敵を抹殺するためなら手段を選ばず、極悪非道の限りを尽くしたアレクサンデル6世はもちろん、頭脳明晰な長男チェーザレ、父の政略の駒にされた長女・ルクレツィアら、家族の物語にもドロドロと禁断の香りが漂っています。
製作総指揮を務めるほか、演出や脚本も手掛けているのは映画『クライング・ゲーム』などの名匠ニール・ジョーダン。ほとんどのエピソードの脚本を執筆しているばかりか、数エピソードにわたって監督を務める熱の入りようで、「連続ドラマの利を活かし、映画では出来ないことをやり尽くす」という意気込みが感じられる作りに。壮大で、スリリングで、エロティックで、エンターテイメント性にも富んだ作品世界は、観始めたら止まらない中毒性を帯びています。また、時に恐ろしいほど狡猾に、時に見苦しいほど等身大に振る舞う主人公一家の強烈な個性も、観やすさの要因となっているのではないでしょうか。
ちょっと敷居が高いな…と思っても、実は観始めたらハマってしまう人多数の歴史ドラマ。中世モンゴルの冒険家マルコ・ポーロをモデルにした「マルコ・ポーロ」(Netflixで9月2日より配信中)、ヘンリー8世の側近だった天才政治家トマス・クロムウェルが主人公の「ウルフ・ホール」(AXNミステリーで来年1月に放送)など、今後も話題作が続々と日本にやって来るのも嬉しいところです。
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