役・作品を通しての変化「すごく学ばせてもらいました」
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――おふたり自身が役そのものから教えられたこと、影響を受けたことなどもありますか?
赤楚:安達に関しては、人を想うということで、喜びや切なさ、嫉妬といういろいろな感情が動いていくんですよね。それは恋愛ならではのものなので、改めて「恋愛っていいな」と思いました! あとは、一歩踏み出す勇気です。アクションを起こしていくことで、自分の視野が広くなるところは学ばされました。
劇場版だと、黒沢と一緒にいたいから仕事を頑張るとか、誰かのために強くなる部分がすごく描かれているんです。自分ひとりだと限界はくるのかなと思いつつ、誰かのためにというのがあったら強くなれるのかなと感じて。そこがいいなぁと思いました。
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町田:人と接する上で大切なことが、たくさん詰まっていたと思います。その中でも、自分自身の自己理解と自己発見が大事だなと思いました。普段なかなか客観視できないですし、人と関わることで見出せたり、気づかされたりすることはたくさんあると思うんです。そのあたりを、役や作品を通してすごく学ばせてもらいましたね。
あとは…安達も黒沢もすごく頑張っているんですよね。人に優しくできるということは、たぶん自分を大事にしていたり、自分自身に優しくしてあげることが大切だと思うんです。そこは、すごくはっとしました。自分もまだできていませんが、意識するようになったのは作品のおかげです。
人から見られて恥ずかしくないようにではなく、自分が自分自身に恥ずかしくないことをすれば、周りにも恥ずかしくないのかなと。相手に対しても恥ずかしくないアプローチができますし、すごく大事だなと思いました。そういうことを学べただけでも、僕の中ですごく大きなことでした。
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――お互いの俳優としての表現力のすごさや、チャーミングなところなど、撮影中に気づきはありましたか?
赤楚:作品では黒沢の面白おかしさを、町田くんは間や表情だったりできちんと表現するんです。絶妙な部分を狙ってされるからすごいなと思います。…でも、何より普段からめちゃくちゃ面白くて(笑)。
町田:本当!? 僕、昔は友達や先輩に「面白くない」って言われていたから(笑)。
赤楚:えーっ!?
町田:そう。「つまんない」、「話にオチもない」と言われていたし(苦笑)。自分自身も「別に面白くても、面白くなくてもいいや」と思っていたんです。でも、お芝居だと自由にやれるのでそういうときに楽しいなと思うんですよね。だからやれることもあるし、普段もちょっと楽しみながら過ごすのが好きだったりして。『チェリまほ』では、赤楚くんもみんなも本当によく笑ってくれるからよかった(笑)。だから何をやっても(大丈夫)というか、甘えちゃうんですよね。
赤楚:いやいや! みんな、笑いには厳しいんじゃないですか? 僕はそんな大ウケしたことないですよ…。
町田:いや、赤楚くんは面白いよー! その狙っていないっていうのが面白いんですよ。いいよね。