影響を受けたスコセッシ&デ・ニーロ作品
――家族関係を含め、『ライオン・キング:ムファサ』で観客はムファサのルーツを知ることができます。俳優マッツ・ミケルセンさんのルーツを語る上で欠かせないものは?
やはり、僕のルーツには映画があると思う。多くの人たちと同様、僕もいろいろな映画を見て育ったから。そして、監督や俳優から明らかに大きな影響を受けてきたのだけど、1つ挙げるとするなら、70~80年代のマーティン・スコセッシとロバート・デ・ニーロからは多くを学んだ。あの時代に彼らが組んで残したすべての作品が傑作だったと思う。
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――マッツさんにとっての“人生の1本”は?
『タクシードライバー』だね。スコセッシ&デ・ニーロの中でも特に傑作だと思う。あと、『雨に唄えば』は子供の頃から今まで変わらず大好きだし、クシシュトフ・キェシロフスキの『デカローグ』も。すでに1本じゃないけど(笑)、黒澤明を外すわけにもいかない。彼の作品を見ていると、違う世界に吸い込まれた気分になるんだ。映画作りの素晴らしさも教えてくれるしね。
――『雨に唄えば』を見て、いつか自分も映画の中で歌いたいとは…。
思わなかったし、それは話が違う(笑)。歌が得意じゃない人だって、ミュージカルは好きだろう? あんなにもチャーミングな作品だったら、なおさらだよ。
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――ですね(笑)。マッツさんは出演作選びにおいては監督の存在が大きいと常々おっしゃっていますし、今も名匠たちの名前が出ました。今回、バリー・ジェンキンス監督との作品づくりはどんな体験になりましたか?
本当に素晴らしかった。僕たちは話し合いながらシーンを作っていったわけで、通常の撮影とは勝手が違ったけど。どんな作品に仕上がるか想像もつかなかったから、俳優は監督を信頼するしかない。そんな僕らにバリーは見事なインスピレーションを与え、上手く導いてくれた。それに、人柄もいいんだ。すごく優しくてね。だから、彼との出会いは僕にとってのハイライト。Skypeでの出会いだけどね(笑)。
――次は実写作品でもぜひ。
僕もそれを心から望んでいる。バリーにそう伝えておいてくれるかな?